2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00642
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
吉川 栄一 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーダネットワーク / 気象レーダ / 高分解能 / 降雨減衰補正 / 竜巻 |
Research Abstract |
1.定常運用3次元観測レーダ1号機,2号機の研究・開発 1号機の開発について,その設計及び初期観測における観測性能評価結果を論文としてまとめ,先日IEEE TGRSに採録が決定した.加えて,同内容に関連してのいくつかの学会発表を行った.偏波観測機能を付加した2号機は,ソフトウェアも含め設計製作が完了し,昨年10月に大阪大学吹田キャンパスに設置した.現在,初期観測・精度検証を行うと共に,信号処理装置の最終調整を行っている. 2.複数レーダによるネットワーク観測 気象レーダネットワークを用いた高精度の降水プロファイル観測の為に,レーダネットワーク環境を利用した降雨減衰補正手法の開発を行った.本研究ではカルマンフィルタを用いた確率的補正手法を提案しておりシミュレーションデータに適用した結果,降雨エコーを非常に精度良く推定されているだけでなく,更に降水粒子の粒径分布をも推定できていることを示唆する結果が得られた.ネットワーク環境を用いた観測実験は既に数度実施しており,今後は実データに適用して性能評価を行う. 3.大気現象の3次元分布の観測 観測計画は当初のものから大幅な変更を行った.観測場所を鹿児島県種子島から山形県庄内空港に変更し,1~2月の観測キャンペーンを実施した.その理由は,1)冬季の庄内平野は竜巻等の局所的大気現象が発生し易い事,2)雪の観測が可能で,庄内での観測にて本レーダの実績を広げられる事,3)観測データを空港気象の観点からも活用でき,航空機の安全運航・就航率向上等,運用面の利益に直結する事,が挙げられる.今年は暖冬またはエルニーニョとも言われており例年に比べて竜巻等の発生が少なかったが,いくつかの特徴的なデータを取得することに成功した.
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Research Products
(10 results)