2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内超初期癌診断用細径ラマンプローブの実用化:炎症進行のデプスプロファイル解析
Project/Area Number |
09J00680
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 裕子 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラマン分光 / ラマンプローブ / デプスプロファイル / ケモメトリックス / 生体組織 / in situ計測 |
Research Abstract |
極細径ラマンプローブを用いた層状生体組織デプスプロファイル測定技術の基礎検討を行った。本年度の研究年次計画および目標は、ラマンプローブを用いたin vitroデプスプロファイル測定技術の基礎検討およびモデル炎症のin vivo測定であったが、妊娠・出産に伴い六ヶ月間の研究休止期間を取ったため、若干の計画変更が生じた。主な成果は以下の通りである。 1.ラマンプローブを用いたin vitroデプスプロファイル測定技術の開発 異なる光学特性を持つ複数のラマンプローブを用いて、光散乱のない透明層状サンプルから厚みと純スペクトルを定量的に得るための数式を作成した。厚み未知の層状サンプル厚を非破壊のラマン計測のみで得る技術であり、大変意義が大きい。 2.大腸癌モデルマウス大腸のin vitroデプスプロファイル測定 大腸癌モデルマウス大腸切片を、異なる光学特性を持つ複数のラマンプローブを用いて接触測定し、デプスプロファイル解析を行った。体内深部癌の診断技術に必須な、癌浸潤深さをin situ計測する技術を開発する上で、非常に重要な知見が得られつつある。 3.ポリマー超薄膜サンプルのラマン測定 基礎的なラマンスペクトル測定技術およびスペクトル解析技術を獲得するため、生分解性ポリマーP(HB-co-HHx)超薄膜サンプルの非共鳴ラマンスペクトル測定を行った。50nmもの薄さの超薄膜を非共鳴条件でラマン測定した例はほとんど報告されておらず、きわめて珍しくまた重要な測定結果である。
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