2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体内超初期癌診断用細径ラマンプローブの実用化:炎症進行のデプスプロファイル解析
Project/Area Number |
09J00680
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 裕子 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラマン分光 / ラマンプローブ / デプスプロファイル / ケモメトリックス / 生体組織 / in situ計測 |
Research Abstract |
極細径ラマンプローブを用いた層状生体組織デプスプロファイル測定技術の構築を行った。本年度の研究年次計画および目標は、動物実験を主軸にしたラマンプローブin vitroデプスプロファイル測定技術の発展およびモデル炎症のin vivo解析であったが、モデルサンプル系の解析で目ぼしい成果を得たため、若干の計画変更が生じた。主な成果は以下の通りである。 1.ラマンプローブを用いたモデル系in vitroデプスプロファイル測定技術の完成 深さ方向に対し異なる光学特性を持つ複数のラマンプローブを用いて、光散乱のない透明層状モデルサンプルから厚みと純スペクトルを定量的に得るための手法を完成させ、投稿論文にまとめた。同論文はすでにApplied Spectroscopyに投稿済みで、現在minor revisionにて修正中である。 2.光散乱体内のラマン散乱軌跡を計算するためのコンピューターシミュレーションプログラム作成 上記1.の手法を、強い光散乱特性を持つ生体組織へ適用する足がかりとして、生体組織内でのラマン散乱シミュレーションプログラムをMATLABにて作成した。本シミュレーション結果は、ラマンプローブで生体組織をデプスプロファイル測定する際に起きうる現象を正確にとらえるために必要な知見であり、非常に重要である。 3.ポリマー超薄膜サンプルのラマン測定手法の確立・発展 ナノメートルオーダー超薄膜ポリマーのラマン分析手法確立をめざし、生分解性ポリマーP(HB-co-HHx)超薄膜の非共鳴ラマンスペクトル測定をさらに進めた。前年度の測定限界は50nmだったが、本年度はケモメトリクスの手法を組み合わせることで、16nmもの薄さまで発展させた。16nmもの薄さの超薄膜を非共鳴条件でラマン測定した例は未だほとんど報告されておらず、きわめて重要な測定結果である。同成果については現在、投稿論文を作成中である。
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Research Products
(6 results)