2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の社会的スキルへの集団随伴性を用いた支援プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
09J00763
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
五味 洋一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 集団随伴性 / 社会的スキル / 相互作用 / 小集団指導 / 通常学級 / 問題行動 / 介入の整合性 / 機能的アセスメント |
Research Abstract |
集団を活用した社会的スキルおよび適応的な行動の指導・支援方法の確立を目的として、1.発達障害児の小集団指導場面における集団随伴性の活用方法に関する研究、2.通常学級への拡大のための環境設定に関する研究、のふたつの柱で研究を進めた。1.については、五味・野呂(2009)の研究上の課題を踏まえて、得られた示唆を検証することを目的として追試的研究を実施した。その結果、相互依存型集団随伴性を適用する集団の規模によって、集団内の児童の相互作用が質的・量的に異なることが確認された。これらふたつの研究で得られた知見は、さらに通常学級に応用され、給食の準備活動中の児童の適切な相互作用を促進する効果を得た。通常学級における学級経営では、活動や評価の単位としての集団の規模は容易に操作可能な変数であり、上記の研究結果は、通常学級での児童の適切な相互作用を促進するための手立てとして非常に有効であると考えられた。 一方、2.については、教員による継続的かつ適切な支援の実施を促進する条件の検討を行った。主に、(1)記録を兼ねた支援手続きのチェックリスト導入の効果、(2)支援の結果に関する定期的なフィードバックの効果、(3)支援の継続的な実施が職員会議の中で強化される機会の設定の効果、をそれぞれ検討した。その結果、海外の諸研究のように頻繁なフィードバックを行わなくても、教員の力量や支援に対する動機づけを評価したうえで、(1)や(3)のような環境設定を行うことで、支援が継続的に実施されることが示された。
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Research Products
(3 results)