2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00791
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三桝 信哉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン脱メチル化 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
本年度はヒストン脱メチル化酵素LSD1の阻害剤に関する論文を提出し、さらに共著論文及び、投稿論文を準備する段階まで着手した。 LSD1に対する特異的な阻害剤を開発する研究を行っている。Tranylcypromine(2-PCPA)はLSD1を阻害する化合物として同定されているが、LSD1と同じフラビンアデニンジヌクレオチドを補酵素として反応中心に持つモノアミンオキシダーゼを、より強く阻害してしまう。そこで既知構造であるモノアミンオキシダーゼと2-PCPAの構造と、私が構造解析したLSD1-2-PCPAを比較し、LSD1のみを選択的に阻害する2-PCPA誘導体を設計した。20化合物程設計した結果、従来の2-PCPAに比べてLSD1の阻害値、及び特異性をk_<inact>/K_Iで166倍向上させた。阻害値を向上させる要となった化合物のX線結晶構造解析と、今回の化合物の阻害値を総合的にまとめて、Biochemistryに採択された。また本件とは別の研究でも共著でBiochemistryに採択された。 さらに、LSD1とH3テイルの複合体解析のまとめに取り組んだ。現在分解能2.9ÅであったLSD1とH3テイルの複合体結晶の分解能を2.7Åまで向上させ、LSD1とH3テイルの認識の分子基盤を解明した。それらの内、認識が重要である残基盤を確かめる為に、LSD1側の変異体を作成し、LSD1の基質であるジメチル化H3K4ペプチドで脱メチル化アッセイを行った。更に、生体内でH3が構成されているヌクレオソームと呼ばれる構造体でもこれらの基質認識を行っている事を示し、現在論文投稿準備中である。
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Research Products
(4 results)