2010 Fiscal Year Annual Research Report
琉球方言地域における標準語語彙を用いたプロソディーの継承・喪失・獲得過程の研究
Project/Area Number |
09J00800
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小川 晋史 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウチナーヤマトグチ / 琉球語 / 琉球方言 / 竹富方言 / アクセント |
Research Abstract |
沖縄島南部のいわゆるウチナーヤマトグチのアクセントについては、昨年度の調査に引きつづき若年層の調査をおこなった。それに加えて、すでに調査が難しい1900年代前半生まれの話者のウチナーヤマトグチのアクセントを調べるために、話者の録音音声を探す活動をした。手に入れた音声を使って今後研究を進めていくとともに、自身のフィールドワークによって世代の研究を進める見込みである。 伝統的な方言の調査としては、沖縄島北部の東村での調査を行った。2回調査を行ったが、話者が高齢であるため大量のデータを一度に集めることが難しく、現在までに数百語を採録したところである。その中でも、沖縄島北部の今帰仁村以外の地域では見られないパターンも観察されていることから、この地域が今帰仁からの移住者で開かれたという伝承を裏付けるものとなる可能性があると思われる。また、南琉球の竹富島の方言を調査した。この地域のアクセントは2型であることが確認できたが、アクセントが単語単独では表出しないという特徴が確認された。イントネーションと同様に、語よりも大きな単位でなければ明確な表出をしないことがわかった。文末イントネーションについては、断定の場合にピッチ上昇をするという特徴を持っており、疑問の場合はピッチ下降によって表されるということが明らかになった。疑問の場合のピッチ下降は周辺地域でも観察されるが、断定の場合のピッチ上昇は珍しい特徴であると考えられる。
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Research Products
(3 results)