2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトテロメア配列におけるDNAの構造とその形成メカニズム
Project/Area Number |
09J00815
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三戸 祐太 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | グアニン四重鎖構造 / G-quadruplex / DNA / カテナン / テロメア / 三重鎖 / 光ピンセット / テロメラーゼ |
Research Abstract |
染色体の末端はテロメアと呼ばれ、老化やがんとかかわりがあるため非常に注目を浴びている。また、染色体の末端部分は一本鎖でできており、グアニン四重鎖構造をとりやすいことが知られている。このグアニン四重鎖構造は、細胞が不死化する原因の一つであるテロメラーゼという酵素の働きを抑えられることから、抗癌剤の開発という観点から研究が進められている。 前年度に一本鎖のDNAがどのように折りたたまれてグアニン四腫鎖構造になるか、その折たたみ経路について研究を行った。そこで、その中間体であるグアニン三重鎖構造について研究を行った。グアニン四重鎖構造は通常、CDスペクトルやNMRなどアンサンブル系の測定法を用いて研究が行われる。しかし、グアニン三重鎖構造は用意に分子間で四重鎖構造を形成するため従来の測定法では調べることができなかった。そこで、アメリカのKent State Universityと共同研究で、光ピンセット法と呼ばれる単分子測定法によりグアニン三重鎖構造を研究を行い、その結果を学術雑誌に報告した。 また、この三重鎖構造をDNAカテナンの合成に応用した。DNAは近年ナノマテリアルとしても注目されており、様々な複雑なトポロジーを作る方法が開発されている。DNAによるカテナンは一般的に酵素もしくは化学結合によるライゲーションにより合成されていたこそこで3+1型の分子内グアニン四重鎖構造を利用して、水素結合によるDNAのカテナン合成に成功した。従来法では共有結合により合成していたが、水素結合にすることで、熱を加えるだけで用意にカテナン構造を解くことも可能であることがわかった。
|
Research Products
(6 results)