2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00857
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 毅人 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | トポロジカル絶縁 / スピントロニクス / メゾスコピック超伝導 |
Research Abstract |
近年発見された量子スピンホール系は従来知られているバンド絶縁体とトポロジカルな意味で異なる状態であり、エッジ状態の存在によって特徴づけられる。このエッジ状態はエッジを逆方向に進むアップスピンとダウンスピンによって形成され、ヘリカルエッジモードと呼ばれている。 私は金属/量子スピンホール接合における散乱問題を調べた。量子スピンホール系の示すヘリカルエッジモードによって、界面で反射される電子のスピンが、π程度の非常に大きな回転角を示すことを示した。また、回転角はヘリカルエッジモードの分散と同じ構造を持っていることを明らかにした。 さらに量子スピンホール系の3次元への拡張であるトポロジカル絶縁体上の強磁性体接合における磁気抵抗効果を調べた。Dirac電子の性質に由来して、接合系のコンダクタンスは2つの磁化の相対角に強く依存し、磁気抵抗が面内磁化の方向に強く依存したり、平行磁化のほうが反平行磁化よりコンダクタンスが小さくなるなど従来のスピンバルブでは見られないような振る舞いを示すことがわかった。 また、3次元のトポロジカル絶縁体の表面に強磁性体と超伝導体を載せた系でトポロジカル絶縁体の表面上の界面に現れるカイラルマヨラナフェルミオンが強磁性体の磁化の向きに非常に敏感に依存することを明らかにした。特に超伝導体が異方的なd波の場合には強磁性体がない場合でもマヨラナフェルミオンが現れることが分かった。超伝導体がトリプレットのときには超伝導状態であるにもかかわらず、ギャップレスの分散が現れることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)