2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00900
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森岡 翔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | TAK1 / TNF / 細胞死 / 血管内皮 / 血管新生 |
Research Abstract |
TAK1による細胞死制御機構の生体内における重要性を解明することを目的として、TAK1ノックアウトマウスの解析を行なった。TAK1機能解析のために当研究室で作成された様々な組織特異的ノックアウトマウスのうち、内皮細胞特異的なTAK1ノックアウトマウスにおいて血管内皮のアポトーシスが増加し、形成された血管の構造が破壊され、血管の本数が減少していた。また内皮細胞特異的なTAK1ノックアウトマウスは胚性致死の表現型を示した。これらの結果から、T1照血管内皮細胞のアポトーシスを制御することで、血管形成に重要な働きをすることを示唆していた。TAK1による細胞死制御機構をより詳細に理解するため、TAK1の結合因子であるTAB1とTAB2ノックアウトマウスの解析も行なった。血管内皮特異的なTAB1ノックアウトマウスは、正常に産まれ血管構造に異常を持たなかったのに対し、TAB2のノックアウトマウスは胚性致死の表現型を示し、TAK1ノックアウトマウスと同様に血管構造の粗雑化が観察された。これまでの研究からTAB2はTAK1の活性に重要な働きをしていることがわかっていたため、TAB2ノックアウトマウスの血管内皮細胞におけるTAK1の活性を検討したところ、野生型に比べて、TAK1の活性が著しく低下していた。これらの結果は、血管内皮において、TAB2によるTAK1の活性化が血管形成に重要な働きをしていることを示していた。次に、TAK1ノックアウトマウスにおいて観察された細胞死の原因を探求した。これまでの結果から、TAK1はTNFファミリーによる細胞死を負に制御することが明らかになっていたため、TAK1とTNFR1のダブルノックアウトマウスを作製、解析を行なった。この結果、TAK1ノックアウトマウスにおいて観察された内皮細胞における細胞死、欠陥構造の破壊が抑制されていた。また、TAK1ノックアウトマウスにおける致死性の表現型は、TNFR1の欠失によって部分的に抑圧された。これらの結果は、TAB2/TAK1シグナルが血管内皮においてTNFによるアポトーシスを抑制することで血管形成に重要な役割を果たしている可能性を示唆していた。さらに、TAK1/TNFR1のダブルノックアウトマウスはまだ致死性の表現型を示していたため、TAK1がTNFR1シグナル以外にも血管形成に重要な役割を果たしている可能性が考えられた。そこで、血管の形成に重要である内皮細胞の移動機能を検討した結果、TAK1の発現をsiRNAによって阻害した内皮細胞において細胞の移動機能が著しく低下していた。これらの結果からTAK1は内皮細胞の細胞死と移動機能の2つを制御することで血管形成に寄与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)