2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00903
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
前原 吾朗 Sophia University, 総合人間科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 視覚 / 輝度コントラスト / 弱視 / 両眼視 |
Research Abstract |
採用1年目となる平成21年度において、3編の学術論文を査読付学術雑誌において公表した。うち2編は派遣先であるマギル大学で行われた研究をまとめたもので、残る1編は以前勤務していた金沢大学で行われた研究をまとめたものである。また、日本基礎心理学会第28回大会において、弱視患者の明るさ知覚に障害が存在することを報告するポスター発表を行い、優秀発表賞を獲得した。 マギル大学で行った研究の特色は、左右の眼それぞれに対する処理がどのように統合されるかについて検討した点にある。初期視覚情報処理において、左右の眼それぞれに対する処理はある程度独立していることが知られており、これら2つの処理は相互に抑制しあっていると言われている。Maehara, Huang, & Hess(2009)は、視覚刺激に含まれる空間周波数成分の位相が一致するとき、眼間抑制が極端に大きくなることを発見した。空間周波数成分の位相が一致するとき、視覚刺激内には強い輝度コントラストを持った境界(edge)が生じる。本実験結果から、境界の検出は単眼性情報処理過程において行われており、境界が検出されたとき他方の眼に対する処理を抑制するメカニズムが存在することが示唆された。この成果はVision Researchにおいて公表された。 現在、運動情報処理における両眼統合過程について検討する実験を実施している。今後は、こうした研究の成果を弱視研究に応用していくことが課題である。また、弱視患者の明るさ知覚に関する論文を執筆し、学術雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 弱視患者の輝度知覚における障害2009
Author(s)
Maehara, G., Mansouri, B., Thompson, B., Hess, R.F.
Organizer
日本基礎心理学会 第28回大会
Place of Presentation
日本女子大学
Year and Date
2009-12-05
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