2011 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体分析による縄文人の食性と集団間移動の解明
Project/Area Number |
09J00939
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下 宗一郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 縄文時代 / 人骨 / 自然人類学 / 炭素同位体比 / 窒素同位体比 / ストロンチウム同位体比 / 食性 |
Research Abstract |
平成23年度は,山陽地方から出土した縄文人骨について,ストロンチウム同位体分析を行い,データを集めた。その結果,山陽地方の縄文人骨の中には,生前に集落間を移動した個体が少なく,その時代的変化がない可能性が高いことが明らかとなった。その内容をまとめ,11月に開催された日本人類学会にてポスター発表を行った。この内容については,論文を執筆し,Journal of Anthropological Archaeologyに投稿した。現在,査読中であり,平成24年度中の出版を目指している。平成23年度までに得られた成果については,一般から高校生向けの総説を執筆し,『シリーズ日本列島の三万五千年』という本を4月に出版した。その中では,炭素・窒素安定同位体分析によって明らかとなった日本人の食性の地域差や,ストロンチウム同位体比から分かる縄文時代人の集団間の移動について詳しく紹介した。アウトリーチ活動として,京都大学「スーパー・サイエンス・スクール事業~サイエンス・コミュニケーター・プロジェクト」による出前授業に参加し,小中学校において最新の成果を授業した。
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Research Products
(7 results)