2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィック原理で切り開く超弦理論とゲージ理論の新地平
Project/Area Number |
09J00951
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊池 徹 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ソリトン / 弦理論 / 集団座標 |
Research Abstract |
・静的なソリトン解と、運動状態にあるソリトン解との関係 運動状態にあるソリトンは、静的なソリトン解から簡単な変換をするだけで得られると予想している。その変換の主要な例は座標変換である。実際、私はスカーミオンと呼ばれるソリトンの回転運動が、静的な解からの座標変換だけで簡潔に得られるということを前年度までの研究で示した。今年度は、(1+4)次元におけるYang-Mills理論のソリトンの運動も、同様に座標変換で記述できることを発見している。私は、このような事実の一般性や、背後にある幾何学的構造について調べた。 ・明白に共変的なダイオンの取り扱い 電荷と磁荷を両方持つようなソリトンはダイオンと呼ばれる。解の表式は、時間成分と空間成分を一括して、一つのベクトルとして明白に共変的に書き下せるはずである。今年度は、最も古典的なダイオンの例であるJulia-Zeeダイオンについてこの関係を調べた。 ・オリエンテーションモジュライの理解 上記の研究を通して、オリエンテーションモジュライと呼ばれるモジュライは、解を別の解に移すような変換ではなく、むしろ解を不変に保つような変換に対応していることがわかった。 2.弦理論に現れる幾何学 522という弦理論におけるブレーンの周りを等角速度で回転運動するような弦の古典解を解析的に得ることができた。この解は522周りを等角速度で回転しながら、時々刻々とT 双対変換を受け形を変えるような解になっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
示唆に富む研究結果は多量に得られているが、どれも論文発表にまで至っていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
・引き続きソリトンの集団座標が持つ幾何について調べる。 ・U-foldの物理、特にその上のプローブの奇妙な振る舞いについて調べる。
|
Research Products
(2 results)