2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動とラクトトリペプチド摂取の併用が動脈伸展性に及ぼす影響とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
09J00970
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉澤 睦子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 運動 / ラクトトリペプチド / 生活習慣改善 / 動脈伸展性 / 血管内皮機能 |
Research Abstract |
今年度は、ラクトトリペプチドの摂取が動脈スティフネスを改善するメカニズムの解明を中心とした研究を実施し,論文を発表した. 1.ラクトトリペプチド摂取と有酸素性運動トレーニングの併用が動脈スティフネスに与える影響を検討する研究として,閉経後中高齢女性を対象とした8週間の介入実験を行った.その結果,ラクトトリペプチド摂取と有酸素性運動トレーニング併用の実施は,ラクトトリペプチド摂取単独および運動単独よりも動脈スティフネスを低下させる効果があることが明らかとなり,生活習慣の改善によって,動脈スティフネスが改善すること,食事と運動の併用は各々単独で実施するよりも相加的な効果があることを示唆した.この研究結果は,"Am J Physiol Heart Circ Physiol"において公表された. 2.ラクトトリペプチド摂取による動脈スティフネスの改善のメカニズムを解明する研究として,血管内皮機能に着目して研究を行った.対象は閉経後中高齢女性であり,ラクトトリペプチド摂取ならびにラクトトリペプチド摂取と有酸素性運動トレーニングの併用を8週間行わせた.その結果,ラクトトリペプチド摂取によって血管内皮機能は向上し,ラクトトリペプチド摂取と有酸素性運動トレーニング併用の実施は,ラクトトリペプチド摂取単独および運動単独よりも血管内皮機能が向上した.これらの結果より,ラクトトリペプチド摂取による動脈スティフネスの改善には,血管内皮機能の改善が関与している可能性が示唆された.
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