2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00985
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 啓祐 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 節間伸長 / エチレン応答性転写因子 / 洪水適応性 |
Research Abstract |
ポジショナル・クローニングにより第12染色体上に座乗する浮イネ性QTL候補領域を67.5kbに絞り込み、深水条件特異的に発現が上昇する2つの遺伝子をSnorkel1(SK1)、Snorkel2(SK2)と名づけた。21年度は浮イネの節間伸長メカニズムの解明を目的とし、これらの遺伝子の遺伝子構造および機能解析を行った。SK遺伝子の配列解析の結果、SK1,SK2は核移行シグナルおよびAP2/ERFドメインを保持したエチレンのシグナル伝達に関連する新規の転写因子と予想された。そこでまず、SK遺伝子の細胞内局在性を調べるためにSK遺伝子にGFPを融合させ、タマネギ表皮細胞に導入し蛍光を観察した結果、SK遺伝子は核内に局在していることが明らかとなった。また、エチレン処理を行いSK遺伝子の発現を調べた結果、浮イネではエチレン依存的にSK遺伝子の発現が誘導された。次に、エチレンと節間伸長の関係を調べるために、密閉容器を用いてエチレン処理を行い節間伸長を計測した。その結果、浮イネではエチレン濃度に依存した節間伸長が誘導された。さらに、生体内でのエチレン濃度を測定したところ、非浮イネ、浮イネの両方において深水条件下で著しいエチレンの蓄積が起こっていることが明らかとなった。これらの結果より、浮イネでは深水条件下で蓄積したエチレンによってSK遺伝子が発現し、それによって節間伸長が誘導されていると言う、植物の茎葉伸長メカニズムに新たな仮説を提唱した。また、これらの遺伝子を非浮イネに導入することにより洪水地域に適応したイネを作出できる可能性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The ethylene response factors SNORKEL1 and SNORKEL2 allow rice to adapt to deep water2009
Author(s)
Yoko Hattori, Keisuke Nagai, Shizuka Furukawa, Xianjun Song, Hitoshi Sakakibara, Jianzhong Wu, Takashi Matsumoto, Atsushi Yoshimura, Hidemi Kitano, Hitoshi Mori, Makoto Matsuoka, Motoyuki Ashikari
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Journal Title
Nature 460
Pages: 1026-1030
Peer Reviewed
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