2010 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞によるCD133陰性大腸癌細胞への腫瘍形成能誘導
Project/Area Number |
09J01009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久森 重夫 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大腸癌幹細胞 / CD44 / CD133 / 間葉系細胞 |
Research Abstract |
昨年の研究申請書に記載した通り、本研究は大きく分けて 課題1.大腸癌幹細胞が実体として存在するのか 課題2.大腸癌細胞の腫瘍形成能力は間質細胞によって付加されうるか 課題3.癌幹細胞の分子標的治療は可能か という3つの課題を平行して検討している。 課題1.について今年度は、大腸癌手術サンプルから摘出したprimaryのヒト大腸癌細胞株の培養、ならびにマウス皮下のxenograft株の形成にも複数サンプルで成功した。その後、primaryの大腸癌細胞株においては、CD133よりもCD44/CD166の方が普遍的なマーカーである可能性が報告され、現在CD44/CD166を用いて、同表面抗原陰性群が実際に腫瘍形成能力を有さないかを確認すべく、実験を追試中である。In vitroでは、一昨年Cleversらにより報告された正常小腸細胞からのorganoid assayが、今後の大腸癌幹細胞能力を評価するうえで非常に簡便で有益なassayになると考えられるため【1】、この系がworkするよう、現在条件設定しているところである。 課題2.についてセルラインHT29においても、CD44陰性群では腫瘍形成能力が見られなかった。現在CD44陰性HT29細胞と肝星細胞の共培養にて腫瘍形成能力が付与されるかどうか現在マウス皮下移植モデルを用いて検討中である。 課題3.について新しい着眼点として、ヒトprimary大腸癌サンプルをCD44陽性/陰性群に分けてsortし、それぞれに発現するmicroRNAを、real-time PCRを用いて検討する予定である。
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