2009 Fiscal Year Annual Research Report
変異原性傷害塩基 O(6)-メチルグアニンに対する新規修復経路の解明
Project/Area Number |
09J01019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 理日斗 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | O^6-メチルグアニン / Ogt / ATLタンパク質 / ヌクレオチド除去修復 / DNAメチル化酵素 / S-アデノシルメチオニン / 質量分析計 / 高度好熱菌 |
Research Abstract |
O^6-メチルグアニン(O^6-meG)は変異原性を持つ細胞毒性塩基であり、また、アポトーシスを引き起こす引き金となることも知られている。一般的によく知られたO^6-meG修復酵素であるOgtと高い配列相同性を示すにも関わらず、単独での修復活性を示さないalkyltransferase-likeタンパク質(ATLタンパク質)を中心とした新規メチル化傷害修復経路の解明を目指して研究を行っている。当初はATLタンパク質がO^6-meGを認識して結合し、ヌクレオチド除去修復を駆動するUvrAを呼び込む系を想定していたが、ヌクレオチド除去修復再構成系にATLタンパク質を加えてもO^6-meG特異的なDNA切断は見られなかった。そのことから、存在が予想される新規修復経路は、ATLタンパク質が直接的にUvrAの基質特異性を広げる単純な修復様式を持つのではないことが示唆された。そこで、ATLタンパク質欠損株において、O^6-meGが本当に蓄積しているか、質量分析計を用いて直接の検出を試みている。スタンダードとなる精製化学物質を用いてそれらを分析できる条件を検討し、定量的解析のための検量線の作成に成功しつつある。また、メチル化傷害の原因となるS-アデノシルメチオニン合成・分解系の解析のため、高度好熱菌由来DNAメチル化酵素群の構造機能解析を行っている。現在、TTHB185、TTHA1016の大量発現に成功しており、それらの精製の後、結晶化条件を探索中である。
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Research Products
(1 results)