2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
爲重 才覚 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 葉 / 形態形成 / 葉緑体 |
Research Abstract |
本研究では主に二種類の解析<I.とII.>を行っており、さらにENF2が関与する向背軸の認識機構に関わる他の因子を明らかにするための解析<III.>も、並行して行った。 <I.>まず葉緑体遺伝子のうち、向背軸の認識に関わる遺伝子を探索するため、葉緑体内ではたらく転写因子の変異体sig2,sig3,sig4,sig5,sig6を入手し、解析を行った。FIL,PHBの発現パターンは未確認だが、形態観察からは、enf2変異体との顕著な類似性は認められなかった。このことから、葉緑体遺伝子のうちごく一部の発現が低下するだけでは葉の形態形成に影響しないと考えられた。また、ノザンプロットでenf2変異体における葉緑体遺伝子の発現解析を行い、現在までにRpoB,PsbA,ClpP,rbcL,atpB,accD,rpoC1,petDについて結果を得ており、ENF2の機能が主にPEP系の転写機構に必要であることが示唆された。 <II.>ENF2タンパク質の活性が葉の向軸側と背軸側で異なるのか検証するため、FRETセンサーコンストラクトを作製中だが未完成である。また、FIL,PHBの発現パターンの詳細な解析から、これらの発現領域が葉原基の内部でゆっくり変化しつづけていることを見出した。この事実は、研究開始時点で想定しておらず、ENF2活性の空間分布だけでFIL,PHBの発現パターンを説明することの難しさを示唆している。 <III.>SUS2の変異によってenf2変異体の表現型を昂進することを強く示唆する結果を得た。
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Research Products
(4 results)