2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会性ハダニにおける攻撃性の異なる2型の分化・維持機構の解明
Project/Area Number |
09J01045
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 幸恵 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 生物多様性研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | ススキスゴモリハダニ / 2型 / 分化機構 / 維持機構 / 社会性 / 攻撃性 / 動物生態学 |
Research Abstract |
1.ススキスゴモリハダニの寄主植物であるススキの株分けによるクローン栽培は確立することができた。 2.韓国-九州-琉球諸島(北・中・南)-台湾にかけて採集を行った。他研究者の協力もあり、研究遂行上十分なサンプルをえることができた。 3.マイクロサテライトマーカーの開発に関しては、計6個のマーカーを開発することができた。しかしそのほとんどは、2型の判別や、個体群内の移動分散の推定に利用可能だと思われるものであり、当初計画していた「本種2型の南方起源説の検証」に有用だと思われるものは見つけることができなかった。引き続きマーカーの開発に取り組みながらも、「本種2型の南方起源説の検証」には、他の配列も検討する予定である。なお、今回開発されたマーカーは、最終年度に計画している「2型間の遺伝子流動状況の調査」に利用する予定である。 4.「オスの形態計測」と「個体群間の生殖的隔離実験」は、初年度と次年度にかけて行う予定であった。後者は予定通りの進行状況であり、次年度も引き続き行う予定である。しかし、前者と最終年度に計画していた「オス同士の攻撃性の測定」に関しては、本年度中に結果をだすことができ、また、本研究の遂行上重要な情報をえることができた。それは、南琉球や台湾に分布する本種は、形態的にも行動的にもどちらの型とも区別のつかない中間的形質を有し、2型の祖先的な集団である可能性が高いというものである。この南方に分布する集団の存在は、本研究の要ともなる「本種2型の南方起源説」を強く支持するものであり、今後研究を進めるにあたって、鍵となると考えられた。
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Research Products
(3 results)