2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学生における関係性攻撃のメカニズムの解明と心理教育的応用
Project/Area Number |
09J01088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梅津 直子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 関係性攻撃 / 攻撃動機 / 中学生 / いじめ / 反応的攻撃 / 能動的攻撃 |
Research Abstract |
本研究は、中学生を対象に関係性攻撃の低減を目指した介入プログラムを開発し、いじめ問題の予防や中学生の精神的健康や適応に寄与することを目的としている。平成23年度は、これまで行ってきた基礎的研究の知見を参考に、中学校現場において適用可能なプログラム案を作成し、評価することを目的として研究を行った。プログラム案は(1)関係性攻撃および関係性攻撃動機のアセスメント、(2)関係性攻撃についての心理教育、(3)セスメント結果を踏まえた上での、ストレスコーピングに関する心理教育および共感性の情緒面に焦点化した介入、(4)関係性攻撃の頻度についてアセスメント、という4つのパートから構成された。プログラム作成にあたり、中学生は仲間関係に関するストレッサーが多くの関係性攻撃動機の誘因となっていたことから、より仲間関係に焦点を当てた対処方略を抽出するため、大学生を対象に自由記述質問紙を実施し、その内容を反映するものとした。なお、心理教育に関しては、一学級を対象に50分×2回~3回のセッションとして計画され、投影されたスライド資料を見ながら書き込みを行うワークブックを介入対象者に配布するものとした。これらの介入プログラム案を著者が中学校教師および中学生に対してデモンストレーションを行い、評定してもらったところ、プログラムは中学生に理解可能であり、中学生の日常場面にある程度即したものであると評価された。さらに、教師にとっても教授可能な内容であり、学校場面において適用可能であることが示された。以上より、中学生の関係性攻撃を低減する可能性の高いプログラムが開発されたと言えよう。
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Research Products
(2 results)