2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01089
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三鈷 泰代 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 養育スキル / 幼児 / ペアレント・トレーニング / 養育行動 / 母親・父親 |
Research Abstract |
本研究では,幼児期の子どもの問題行動の軽減や適正化,ならびに子どもの望ましい行動傾向を形成するために有効な親の養育行動に注目し,幼児期の子どもをもつ親の養育スキルを測定する尺度の妥当性を観察調査によって検討すること,親の養育スキルが子どもに与える影響を縦断的に検討すること,親の養育スキルに影響を与える要因を明らかにすること,幼児期の子どもをもつ親への養育スキルトレーニングの実践を試みることを目的としている。平成21年度は,研究実施計画書の研究1および研究3を実施した。1.養育スキル尺度の妥当性を検討するための観察調査を実施し,現在,映像データを分析中である(研究1)。2.親の養育スキルに影響を与える要因を検討するために,幼稚園・保育園に通う2~6歳の子どもをもつ親を対象に質問紙調査を実施した(研究3-1,3-2)。(1)研究3-1:親の特性(怒り感情の喚起・持続傾向,情動コンピテンス,自尊感情)および心理社会的不適応(抑うつ傾向)と養育スキルとの関連を検討した。父母638組に質問紙を配布し,有効回答は母親266名,父親145名であった。主な結果として,父母ともに自尊感情の低さ,怒り感情の喚起・持続傾向の高さ,抑うつ傾向の高さが,ネガティブな養育スキルに正の影響を与えていた。また,情動コンピテンスが高いほど子どもとのポジティブな関わりが多かった。(2)研究3-2:子育てや仕事に対する認知(子ども観,仕事観)および仕事と家庭の多重役割と養育スキルとの関連を検討した。父母292組に質問紙を配布し,有効回答は母親135名,父親75名であった。主な結果として,父母ともに子育てに「充実・楽しみ」や「生きがい」を感じているほど,子どもに対してポジティブな養育スキルを多く使用していた。これらの結果を踏まえて,平成22年度に実施する養育スキルトレーニングプログラムの内容および構成を再度検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)