2009 Fiscal Year Annual Research Report
硬軟層状構造体におけるプレートモード弾性波の伝搬特性の解析とその応用に関する研究
Project/Area Number |
09J01100
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西宮 康治朗 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 負の群速度 / ストロボ光弾性法 / フォノニック結晶 / 負の屈折率 / 集束超音波 |
Research Abstract |
本年度は、先行研究の対象であった層状構造体とその特性を応用することで、焦点距離が可変な層状構造体フォノニック結晶について研究を行った。 基礎段階として、一般的なフォノニック結晶の自作から開始し、平面波入射による負の屈折現象の光学的可視化を行った。結果として、製作時の精度の問題点が挙がり、格子間隔に0.1mmオーダーでの誤差があるだけで理論通りの伝搬特性が得にくいことが分かった。このため、フォノニック結晶の製作には高精度な結晶格子の実現が必要不可欠であるという結果になった。 次に、フォノニック結晶/液体/フォノニック結晶による層状構造体フォノニック結晶における焦点可変集束超音波の伝搬解析を有限要素法により解析した。この構造体では、液層の厚みを変えることにより超音波の集束位置が可変することが確認できた。また、同じ厚みの通常のフォノニック結晶と比較して集束強度が高いことが確認できた。しかし、本構造体では集束範囲がややぼやけてしまうという欠点もあり、今後は構造体の結晶の層数や格子形状などの最適化を考慮していく必要がある。 別件として、ストロボ光弾性実験法による光学的可視化の他分野への発展の可能性として、非破壊検査への応用を考察した。先行研究の対象であった弾性薄板内を伝搬するラム波について、板内にクラックがある際に伝搬モードがどのように変化するかを光学的に可視化し、クラックのサイズとラム波の波長に関係があることが確認できた。この結果は、不可視な対象内に存在するクラックのサイズを、ラム波を伝搬させることにより取得できる可能性があることを示唆する。以上から、光学的可視化の他分野への発展の可能性が示された。
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Research Products
(4 results)