2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペリレンビスイミドJ会合体の創製とスマート集光システムへの展開
Project/Area Number |
09J01140
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 朋宏 千葉大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有機色素 / 太陽電池 / オルガノゲル / 水素結合 / J会合体 / 超分子 / 自己組織化 / 有機半導体 |
Research Abstract |
昨年度、申請者は研究課題にある通りペリレンビスイミドのJ会合体の構築とその内部構造の解明、更にはその機能材料化に取り組んだ。しかしながら、これら全て達成できるようなペリレンビスイミド分子の合成が非常に困難であり、今も尚、試行錯誤を重ねながらも明確な合成経路の確立には至っていない。これを克服することが今年度の研究における最重要課題であると考えている。 一方昨年度までの研究を通じて、ペリレンビスイミド色素においては元来困難とされてきた「塗布法により薄膜形成が可能な二次元層状構造の創製」および、「光学活性を示す集合体の創製」などの、微細な機能性デバイスへの応用が期待されるナノメートルサイズで秩序化された材料を構築することに成功した。申請者は、これらの材料の分子レベルでの集合構造とのその光学的・電子的特性との相関を明らかにするだけでなく、その有機エレクトロニクス材料としての実用性についても深く検討を行った。例えば前者のペリレンビスイミド材料は、近年注目を集める溶液塗布法により有機薄膜トランジスターの半導体層へと展開し、そのデバイスの性能を評価した。このデバイスは、空気中においてもトランジスターとして正常に駆動することが確かめられた。一方後者の材料では、「キラル増幅」と呼ばれる、色素集合体においては報告例が少ないきわめて重要な現象を発現することに成功した。今年度はペリレンビスイミドのJ会合体の構築と平行し、トランジスター特性の改良及びキラル増幅現象に関する詳細な知見明らかにすることも目的に据え研究を進めていく予定である。
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Research Products
(11 results)