2010 Fiscal Year Annual Research Report
Leptin-POMC axis摂食調整におけるERαの機能評価と新規分子標的の探索
Project/Area Number |
09J01158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大北 倫 (廣澤 倫) 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖尿病 / エストロゲン受容体 / STZ / 過食 / POMC |
Research Abstract |
摂食調整には高血糖下で特異的に作動するエストロゲン非依存型Estrogen receptor a活性化の介在をAkitaマウスをモデルに解明してきた。本年度は、この分子機構の解明を以下により更に検討した。 (1)Leptin-POMC経路の重要性を他の糖尿病モデルマウスにて検討すべく、雄C57BL/6にストレプトゾトシン(STZ)を投与した。血糖値上昇確認後、去勢とコントロール群に別け、摂食量・体重・血糖値、血清中レプチン・インスリン濃度の変化、視床下部内POMC発現変化を観察した。結果、去勢群で著明な摂食量低下を示し、レプチン濃度の上昇に伴うPOMC発現増加が見られた。leptin-POMCはインスリン欠損下での重要な調整経路であることが示された。 (2)ERaのLeptin-POMC経路での役割検討。 a)POMC発現にSTAT3活性化は必須である。今回、ERaKOAkt、ERbKOAkt、去勢-、非去勢-AkitaマウスのSTAT3発現比較をwestern blot法により検討した。結果、Akitaマウスでは去勢はPOMC発現同様STAT3発現も増加させた。一方、ERaKOAktマウスではPOMC発現は低いが、STAT3発現は上昇していた。以上のことは、ERaは、燐酸化STAT3発現に直接影響しないことを示す。b)視床下部細胞を用い、POMCプロモーターによるluciferase assayを行った。ERaをsiRNA法で欠損させる条件は整っており、今後、in vivoでのERaの重要性を再現する。 Leptin-POMCは、インスリン欠損時に非常に重要であることが(1)の結果からいえる。この経路のERaの役割解明には更なる研究が必要だが、我々が作製したERa欠損Akitaマウスをモデルとすることで、摂食調整の新規pathway検索が可能となり、新たな食事予防法等の検討に繋がると考えられる。
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Research Products
(2 results)