2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランス中等教育における進路指導の比較研究‐学校と外部機関の連携に注目して‐
Project/Area Number |
09J01174
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
京免 徹雄 Waseda University, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 進路指導 / キャリア教育 / フランス / 比較教育学 / 中等教育 / インタビュー調査 |
Research Abstract |
本研究は、我が国で関係機関と連携したキャリア教育の推進が求められている現実を踏まえ、フランスの中学校に導入されている「進路への教育」を比較教育学の観点から考察するものである。とりわけ、情報・進路指導センターから各学校に派遣される進路指導心理相談員と教員とのパートナーシップについてインタビュー調査(半構造化面接)を行い、外部機関がどの程度まで学校現場に介入し、実践に際して両者がいかなる形で連携することが望ましいか明らかにすることを目的としている。 年度前半には、まず調査対象である情報・進路指導センターや進路指導心理相談員に制度について文献調査を行い、その制度を明らかにした。並行して、我が国におけるキャリア教育の問題点を把握するため、生徒を対象に質問紙調査を行い、職業・労働社会に精通していない教員だけでは、キャリア発達の効果的促進にあたって限界があることを示した。これらの成果に基づき、(1)学校生活における相談員と教員との連携、(2)職業発見」(両者が共同で実施する授業)、(3)進路指導をめぐる諸改革と今後の連携の在り方、に関する質問項目を決定した。 年度後半には、2回(2009年9月及び2010年3月)にわたってフランスで実地調査を行った。リヨンでは、郊外の困難校とそこを担当する情報・進路指導センターを訪問し、教員と相談員にインタビューを実施した。またパリでは、第11区・12区情報・進路指導センターを訪問し、所長及び各相談員に対してインタビューを試みた。さらに、今年度から相談員の制度を大幅縮小する改革案が検討されはじめたことをふまえ、現場以外の利害関係者、すなわち国民教育省、労働組合、相談員の養成機関の三者からも改革に対する見解を聴取した。以上の調査結果については分析中であるが、連携に対する教員と相談員との意識の相違及び共通点をまとめ、次年度に成果を関係諸学会において発表する予定である。
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Research Products
(11 results)