2009 Fiscal Year Annual Research Report
跨境地域における社会変容と民族アイデンティティ-雲南省ラフ族の事例から
Project/Area Number |
09J01264
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀江 未央 Kyoto University, 東南アジア研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アイデンティティ / 中国雲南省 / 文化人類学 / 跨境地域 |
Research Abstract |
2009年度は、博士予備論文の内容を補強するための補充調査とともに、雲南民族大学に所属し、民族言語の習得及び調査許可申請などを行った。まず2009年4月には、瀾滄ラフ族自治県で開催されたラフ族の新たな祭日「葫蘆節」を観察し、90年代に創設された民族祭典のあり方と効果について調査を進めた。その後、それらのラフ族表象がラフ族の実生活に与える影響を知るために村落調査も行い、表象と日常の距離感について村民の現状を把握することができた。7月16日には京都大学東南アジア研究所で開催された研究会「東南アジア跨境域を流動する人々」第1回「中国西南地域少数民族における民族の表象と実践」にて博士予備論文の内容を発表し、長期調査に向けての構想を含め、準備を進めた。6月から8月までは、「大学院教育改革支援プログラム」に参加し、「アジア・アフリカにおけるマイノリティの諸相」というタイトルで共同研究を企画した。研究代表者として若手研究者と活発な議論を行い、8月28日にはカメルーン共和国ヤウンデ第一大学にて研究会の開催を実現することができた。その後、2009年9月から2010年2月23日までは研究指導委託のかたちで中国雲南省に渡航し、博士予備論文の補充調査・ラフ語の習得・調査村選定・調査許可申請を行った。博士予備論文の補充調査については『ラフ族史』執筆者へのインタビューを継続的に行い、不足していた情報を着実に得ることができた。ラフ語については、日常会話なら聞き取れるほどの上達を実感することができた。また、調査許可申請については、雲南省政府の正式な調査許可を獲得することができた。これは3年間一度も降りなかった外国人研究者への長期フィールドワーク許可である。
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Research Products
(2 results)