2009 Fiscal Year Annual Research Report
J-PARCでのKL→πνν分岐比測定の為のCsI検出器と読み出し回路の開発研究
Project/Area Number |
09J01308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩井 瑛人 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 素粒子実験 / K中間子の物理 / カロリメータ / 波形読み出し / Flash ADC / Bessel filter |
Research Abstract |
本年度はCsIカロリメータのビームテストのための研究を行った。CsIカロリメータは個々に開発研究が進められてきたCsI結晶、光電子増倍管、コッククロフト型高電圧電源、Flash ADC、FPGAファームウェアやトリガーボードで構成されるが、中性粒子のみを扱うKOTO実験では、実験中にカロリメータの性能を評価するのは容易ではない。そこで私は東北大学電子光理学研究センターでのCsIカロリメータのビームテストを計画した。この施設の陽電子ビームエネルギーはKOTO実験でカロリメータに入射するγ線のエネルギー領域に近く、カロリメータ上の入射位置やエネルギーを精度よく決定できる陽電子ビームはテスト実験に適している。私は2度のビームタイムを申請した。1度目はカロリメータとしての基本的な動作の確認と細かな問題点の洗い出しを行い、2度目にカロリメータの最終的な性能評価を行うのが狙いである。はじめにこれまでの研究とシミュレーションを元に、用いるCsI結晶の本数や入射位置特定のための検出器の仕様などのテスト実験のセットアップを決定し、測定する項目とその期待される結果を見積もった。次にビームテストに必要な、乾燥した実験環境、回転台や暗箱などを準備し、その他構成要素を統合して1つのカロリメータとして動作させるのに必要な多くの事/物を考え、その準備作業を統括し行った。1月に1度目のビームテストを行い、基本的な動作を確認すると共にいくつかの問題点を発見し、現在対処中である。2度目のビームテストは4月に行う予定であり現在準備を進めている。
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Research Products
(1 results)