2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞を用いた新規完全ヒト抗体ディスプレイ法の開発
Project/Area Number |
09J01321
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
富松 航佑 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒトモノクローナル抗体 / CHO細胞 / ディスプレイ法 / 組換えタンパク質生産 |
Research Abstract |
前年度において、動物細胞ディスプレイ法の基盤を構築した。本年度においては構築した新しい手法を用いる事でヒトモノクローナル抗体を取得が可能であるかということを試験した。そこでヒトモノクローナル抗体の親和性成熟試験を行った。所属機関において作製された抗ヒト高親和性IgE受容体(FcεRIα)のモノクローナル抗体の遺伝子を用い、H鎖CDR3にPCR法でランダムに変異を導入した。その後構築された動物細胞ディスプレイ用ベクターにライゲーションを行った。このベクターをCHO FlpIn細胞にFlpInシステムを用いてトランスフェクションをする事で、10の6乗の独立したクローンからなる動物細胞ディスプレイライブラリーを作製した。このライブラリーにFITC標識をしたFcεRIαを反応させ、結合性の高いクローンに関してセルソーティングによって分離を行った。ソートした細胞は、その発現する抗体の抗原への結合親和性をELISAによって測定した結果、変異を導入する前の親抗体よりも抗原に対する反応性が高くなったクローンが多数取得された。取得された細胞にCre/loxP組換えを起こさせる事で抗体を膜型から分泌型へ変換し、モノクローナル抗体を取得した。取得された抗体は特異性をEHSAにて試験を行った。その結果FcεRIαに対しては反応性を示したものの、他の抗原(IgE,BSA)に関しては反応を示さなかった。これらの結果から新たに開発された動物細胞ディスプレイ法を用いてヒトモノクローナル抗体を単離することが可能である事が示された。
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Research Products
(1 results)