2011 Fiscal Year Annual Research Report
危機における明治憲法の解釈と運用―太平洋戦争期の政治過程を中心に―
Project/Area Number |
09J01339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
官田 光史 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太平洋戦争 / 明治憲法 / 政治過程 / 戒厳令 / 非常大権 / 国家緊急権 / 議員 / 召集 |
Research Abstract |
本研究は、太平洋戦争期における多様な主体の「非常体制」構想とその相互関係を実証的に検討することで、危機における明治憲法の解釈と運用のあり方を総合的に解明しようとするものである。本年度は、2つ視角、すなわち1日本国憲法制定時の国家緊急権をめぐる議論の展開、2「非常体制」構想の産物としての「応召代議士」という視角から研究を進めた。 1では、防衛研究所図書館、国立国会図書館憲政資料室、国立公文書館などに赴き、史料調査を行った。これらの史料をとおして、(1)敗戦直後における法制局部内研究の動向、(2)憲法問題調査委員会における議論の動向、(3)GHQ(民政局)と法制局の折衝、(4)帝国議会における議論の動向、(5)講和後における非常事態法制定論の論理を明らかにすることができた。この成果については、現在、「国家緊急権という言葉」として、学会報告を準備中である。 2では、秋田県大仙市の強首樅峰苑(小山田家資料館)などに赴き、史料調査を行った。これらの史料をとおして、(1)「応召代議士」(秋田2区選出の小山田義孝ら)の法的措置をめぐる政府と軍部の動向、(2)小山田の召集経緯、(3)小山田の戦地体験を明らかにすることができた。この成果については、現在、「褌に虱はびこる夏の陣-衆議院議員・小山田義孝の出征から帰還まで-」として、学術雑誌への投稿を準備中である。 さらに、一昨年度から本年度の成果をまとめて、「太平洋戦争期の戒厳施行問題」として、学術雑誌への投稿を準備している。この原稿を執筆するなかで、1945年8月10日に植民地の関東州で臨時戒厳が施行されたことも確認することができた。
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Research Products
(1 results)