2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01348
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
張 森 総合研究大学院大学, 高エネルギー加速器科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 時空 / ブラックホール / 超弦理論 |
Research Abstract |
今年の研究成果は主に高強度レーザによるウンルー効果の検証と非平衡系物理のブラックホールへの応用にあった。 ヨーロッパの高強度レーザ施設を用いて、電子の輻射を観測することでウンルー効果を検証することが検討されてきた。しかし干渉効果と知られている効果により、輻射が相殺されることがある非現実的なシンプル化されたモデルで示されていた。電子の場合にもこの相殺が起きれば、実験が無意味なことになってしまう。しかし電子の場合、計算が複雑で難しかったため、今まで干渉効果の評価が行われなかった。そこで我々は昨年の成果を用いて電子が等加速された場合の干渉効果を評価した。やはり相殺が起きることを示した。しかし恐れていたこととは違って、相殺が完全ではなく、何らかの余分の輻射があることを示した。よって、高強度レーザで電子の輻射を観測することが有意義なことになった。 ブラックホールと熱力学の相似は昔から知られていた。しかしその際、議論が主に平衡の領域に限られていた。われわれは近年非平衡系の発展をブラックホールに応用し、ブラックホールについて揺らぎの定理に対応する公式を導いた。また、この公式から一般化されたブラックホールの第二法則を導けることも示した。
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Research Products
(4 results)