2011 Fiscal Year Annual Research Report
RNA-小分子間相互作用解析法の開発と、RNA配列-小分子構造の相関情報の体系化
Project/Area Number |
09J01350
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅本 詩織 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA-小分子間相互作用 / RNAの酵素合成 |
Research Abstract |
申請者はRNA小分子間相互作用評価法の確立を目指し研究を行った。 蛍光分子を指示薬としたディスプレイスメントアッセイの開発 申請者は遊離時とRNA結合時で蛍光強度が変化する蛍光分子を指示薬として、RNA、リガンド双方共非標識のまま相互作用を調べるディスプレイスメントアッセイ法の確立を目指し、研究を行った。本手法は試薬を混ぜるだけで行え、大規模スクリーニングに応用可能な簡便さを有している。 今年度はこれまでに合成した指示薬をより定量的に評価するため、それぞれの指示薬がRNAに結合するときの見かけ上の解離定数を求め、指示薬間の性質の違い明らかにし、クロモフォアだけでなくリンカー構造が指示薬の性質に大きく影響することを示した。 (2)5'末端標識可能なRNAの酵素合成 (1)で述べた手法は化合物の結合の有無をスクリーニングするのには適しているが、結合様式や強度についての情報を得ることはできない。スクリーニングで得られた相互作用を評価するには別の手法が求められる。様々な二次構造、機能を持つRNAを固定化したチップは、このようなRNA相互作用情報を集めるにあたり、非常に有用である。しかしRNAはDNAと比べ不安定であり、二次構造をとるRNAの化学合成は難しい。一方、酵素合成では複雑な二次構造を持つ長鎖RNAを容易に合成できる。またT7RNAポリメラーゼは5'末での塩基選択性が低く、グアノシン構造さえあれば大きな置換基をリン酸上に有していても取り込むことが報告されている。そこで私は5'末端にアルキンを持つグアノシン-リン酸(GMP)誘導体を合成し、それを酵素反応に利用することで5'末端に標識可能なアルキンを持つRNAを酵素合成した。
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Research Products
(3 results)