2009 Fiscal Year Annual Research Report
Patched細胞質断片の生成を介した新規発癌抑制機構の解析
Project/Area Number |
09J01398
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
賀川 裕貴 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | Patched / リン酸化 / 発癌抑制 / プロセシング / 核移行 / 核内転写因子 / 抗癌剤 / 創薬 |
Research Abstract |
Patchedが生命にとって必須のタンパク質であることは、発生遺伝学の研究によって明らかとなっているが、どのような分子機構であるかは未知である。さらに、Patchedは発癌抑制遺伝子としても報告があるが、その抑制メカニズムも不明である。 私は、Patchedが第7細胞質ドメインを切断され、フリーになった断片が核移行することを明らかにしていたが、どのタイミングで切断されるか、また、切断されない変異体がどのような生理活性を有するかといった疑問がまだ残っていた。 そこで、Patched C末端断片がリン酸化されるというデータを基に、Patchedを脱リン酸化、あるいはリン酸化されない変異体を設計したところ、Patchedがプロセシングを受けなくなることを明らかにした。さらに、この切断されない変異体は、野生型とは異なり癌原性因子Glilを抑制しないことも示された。 これらの結果は、今後の目的である新規分子ターゲットの抗癌剤設計に向けて非常に重要なデータであり、Patchedのリン酸化といった新規分子メカニズムの解明のみならず、その生理的意義にまでアプローチすることが出来た。
|
Research Products
(1 results)