2009 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる農作物の生育・品質推定手法開発に関する研究
Project/Area Number |
09J01402
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石川 大太郎 Kagoshima University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分光反射特性 / 生育推定指標 / 品質推定指標 / 分光画像 / 近接リモートセンシング / 摘採適期 / ヒストグラム / ND_<ij>MAX |
Research Abstract |
本研究では、生育形態の異なる茶・水稲に対して、生育中に分光反射特性を連続的に測定することで、近接リモートセンシング手法による生育・品質推定が可能であるかについて検討を行った。各農作物の生育調査結果と分光反射特性測定結果から各農作物を非破壊で推定するためのND_<ij>指標を提案した。 茶の新芽の生育量と葉内窒素含有率を770nmと660nmの波長を用いたND_<770,660>指標で推定可能であることが示された。また新芽の品質をAF値とした場合、AF値の変動は、ND_<710,520>指標で推定可能であることが示された。特にND_<710,520>指標値は、摘採期付近で一度値が下がり、摘採期を過ぎると値が上昇する傾向にあることが確かめられた。 ND_<770,660>画像、ND<710,520>画像の最頻値(ND_<ij>MAX)とも、分光反射特性を用いて導出した指標と同様の変動を示した。品質面においては、ND_<710,520>MAXと同時に、ND_<710,520>指標の輝度値の尖度を検討することで、圃場内の最適摘採日の決定に有効な指針となる可能性を示した。 水稲においては、一等級圃場のND_<770,660>画像のND_<770660>MAXは、DOY:240(出穂期)まで上昇し、その後値が下がる結果となった。圃場内のND_<770,660>値の分布をRMSEと尖度によって検討したところ、一等級圃場に対して、二等級圃場は、ばらつきが大きい結果となった。このことから、ND_<770,660>MAXと圃場のRMSEを用いることで、出穂期からの等級推定が可能であることが示された。 これらの研究成果は、従来まで破壊的に行われてきた、生育・品質推定を非破壊的に可能にするため、実農業にとって非常に有効な手法である。また、画像を用いることで、圃場間の比較が簡易に可能になり、地域の農業生産体系に寄与すると考えられる。
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Research Products
(9 results)