2009 Fiscal Year Annual Research Report
MHDシミュレーションによる衛星の影響を含めた木星と土星磁気圏ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
09J01416
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深沢 圭一郎 Kyushu University, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 惑星磁気圏 / 木星 / 土星 / MHDシミュレーション / スーパーコンピュータ |
Research Abstract |
研究に使用しているスーパーコンピュータ(スパコン)が新しくなったために、新しいスパコン対して惑星磁気圏シミュレーションコードの移植、最適化を行い、コードの性能評価を行った。これにより、新スパコンにおいて、どうすれば効率の良いシミュレーションコードを組むことができるかがわかり、研究で使用できる程度の性能を得ることができた。この結果は国内外の学会で報告し、論文誌に投稿した。 上記の移植が完成後、本研究の目的である衛星との相互作用を含んだ木星磁気圏、土星磁気圏ダイナミクスを調べるシミュレーションコードを開発する前に、まず、比較対象となる衛星の効果を含まないシミュレーションを行った。この結果を用いて、木星磁気圏尾部ダイナミクスに対する研究を行った。最新の木星磁気圏観測の結果として、NewHorizon探査機の結果があり、その観測結果を使用した論文も発表されてきている。その結果に対するシミュレーションからのアプローチとして、木星磁気圏尾部で起こる周期的なプラズマ放出現象をシミュレーションで再現し、解析を行った。この成果を国内外の学会で発表し、論文にまとめた。 同様に、土星磁気圏においても、衛星の効果を含まないシミュレーションを解析し、磁気圏界面沿いの渦構造を調べた。土星磁気圏における渦構造はいくつか観測から示唆があったがCassini探査機による土星の周回観測により、初めて明らかになった構造である。シミュレーションからでは、Cassiniによって明らかになる前に我々の結果により示唆されていたが、今回より詳しく解析を行っている。この結果を共著者と共同で論文にまとめている。 これらの結果を踏まえて、衛星の効果を含むことができる重合格子を利用した惑星磁気圏シミュレーションコードの開発を進めている。 また、来年度中にUCLA/IGPPに数ヶ月間~半年滞在する計画なので、国際会議の前にUCLA/IGPPを訪問し、現地の受入研究者と打ち合わせを行った。
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Research Products
(22 results)