2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01443
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩成 勇 Kyoto University, 数理解析研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高次圏 / モノイダル圏 / スタック / 淡中双対 / 局所構造 / リーマン・ロッホ |
Research Abstract |
2009年度はスキームやスタック上の連接複体のなす導来圏に対して淡中双対性の類似を追求し、それらに対する淡中双対を確立することに成功した。代数多様体(より一般にスキームやスタック・オービフォルド)の研究において導来圏は代数多様体のよい不変量であり逆にどの程度代数多様体の情報を反映するか?関係はどうあるか?という基本的な問がある。そこには、Fourier-MukaiパートナーやThomason-Balmerの復元定理などが知られていた.私はThomason-Balmerの結果に触発され、導来圏に対する淡中双対性が成り立つだろうと考えた.考えたところ旧来考えられていた導来圏では成立しないことがわかった。その困難は高次圏を用いることで解消されること、そこのおける森田理論やKan extensionが使えることが発見された.これらを用いて私は,スキームやDeligne-Mumfordスタックに対して淡中双対性を導来圏レベル(正確には安定∞-圏レベル)で証明した。この結果の重要な帰結は次の二点である。(1)テンソル構造付き導来圏からスキームやスタックを復元できる.これはThomason-Balmerの結果の別証明かつ拡張になっておりまたスタックの場合はThomason-Balmerの方法は使えないのでより強い方法になっている。(2)二番目は(1)よりより大切なことである。スキームやスタックの射は導来関手を生むが、逆に抽象的に関手をあらえたときいつ幾何から来るか?という自然な問題が生まれる。これは,導来圏の自己同型と代数多様体の自己同型との関係はどうなっているか?という基本的な問題をふくむ.これに対して淡中双対性は、関手がいつ幾何からくるか純粋に圏論的な特徴づけをあたえる.これはスキームに対してもこれまでなかった結果で導来圏の幾何とスキーム理論的な幾何の幾何を明瞭にあたえる.なお上記の研究は一部福山ひろし氏と行った.そのほかスタックで粗モジュライが完備のときリーマンロッホ研究した.
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Research Products
(4 results)