2010 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半の日本と中国における地理学的知の交流と展開に関する研究
Project/Area Number |
09J01446
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 陽一 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 満洲 / 地理学 / 中国 / 留学生 / 植民地 / 地政学 / 地理学史 / 軍港 |
Research Abstract |
今年度行った研究は,次の3つに整理できる。1つ目は、日中地理学交流史に関する研究である。まず、11月の国際学会(The 5th Japan-Korea-Cbina Joint Conference on Geography)で、留日中国人地理学者・王謨の地理教育観および対日協力活動に関する口頭発表をおこなった。また、12月の京都大学人文科学研究所の共同研究班における口頭発表で、1920~1940年代の日中地理学交流史の概観を試みた。とくに翻訳書の数、訳者、内容に注目して分析した本発表により、この期間のおおまかな傾向を把握することができた。2つ目は、「満洲国」における地理学者の活動に関する研究である。とくに目立った活動をしていた地理学者である宮川善造と増田忠雄に関する論文をまとめた。1本は審査中、もう1本はまもなく投稿する予定である。また、大連および旅順の図書館・博物館で、そのほかの地理学者に関する資料調査をおこなった。3つ目は、旅順の都市史的研究である。同研究は軍港都市史研究会からの依頼を受けて始めたもので、今年度は1895年から1945年までの旅順の景観変遷を明らかにすることに努めた。夏に地図類の収集をおこない、その成果を共同研究班で口頭発表したほか、論文を『軍港都市史研究II景観編』に寄稿した。
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Research Products
(5 results)