2011 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半の日本と中国における地理学的知の交流と展開に関する研究
Project/Area Number |
09J01446
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 陽一 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 満州 / 地理学 / 地政学 / 植民地 / 中国 / 都市史 / 軍港 / 地理学史 |
Research Abstract |
今年度行った研究は、次の4つに整理できる。1つ目は、「満洲国」における地理学者の活動に関する研究である。建国大学の宮川善造に関する論文が査読を経て『史林』に掲載された他、満鉄調査部の増田忠雄に関する論文も脱稿し、次に言及する課程博士論文の一章とした。また、来年度刊行予定の『二〇世紀満洲歴史事典』に「地理学者」などの項目を執筆した。さらに、「日本植民地をめぐる歴史地理学再考」を共通テーマとする人文地理学会歴史地理研究部会で口頭発表を行い、満洲の都市に関する地理学研究史の整理を試みた。2つ目は、課程博士論文「アジア・太平洋戦争期における地理学者の思想と実践-地政学を中心に-」の執筆である。同論文は2008年度に一度提出するも、その後取り下げ措置を行ったものであるが、12月に大幅に内容を書き換えた形で再度提出することができた。数回にわたる修正のため、3月末時点で正式な審査ほまだ始まっていないが、審査終了後は大阪の出版社から単著として刊行することが決まっている。3つ目は、軍港都市史研究の一環で行った旅順の都市史研究である。今年度は、昨年度末に『軍港都市史研究II景観編』へ寄稿した論文の校正と、日本地理学会におけるシンポジウム「「軍港都市」の近現代-社会・文化・経済の連続と非連続-」で口頭発表を行った。4つ目は、アメリカ合衆国のニューヨークおよびワシントンDCで行った資料調査である。地政学、植民地理学、中国地理に関する資料を閲覧し、一部をコピーやスキャニングによって収集した。
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Research Products
(7 results)