2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘガードフレアホモロジーを用いた低次元トポロジーの研究
Project/Area Number |
09J01458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹下 基生 Kyoto University, 数理解析研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒーゴールフレアホモロジー / 結び目のデーン手術 / レンズ空間 / アレクサンダー多項式 |
Research Abstract |
当研究者の研究目的のひとつは交付申請書にあるようにレンズ空間予想を弱い意味で解決することであった。つまりレンズ空間が3次元球面内の結び目のデーン手術によって得られるための必要十分条件は、レンズ空間がdoubly primitive knotによって得られるための条件と一致するということである。この一致によってdoubly primitive knotの完全な分類が得られる。当研究者はレンズ空間手術のデータから求められるある関係式を定義することで、レンズ空間がある意味安定ているときに上記の予想が解決していることを確認した。また、当研究者が以前求めたボアンカレホモロジー球面内の結び目におけるレンズ空間手術に関しても同じ予想が解決していることを確認した。 この解決によってレンズ空間を生むような結び目の種数の公式を上記のデータから作ることができる。系として上記の条件の時に合田-寺垣内予想を得ることができる。またfinite/L-空間手術においても同じ手法を適応することに興味を持っており取り組んでいる。 アレクサンダー多項式(その圏化である結び目のフレアホモロジー)とその結び目のヒーゴール分解に与える制限を考察することができれば、レンズ空間を構成する結び目のヒーゴール分解の最小種数を評価することでレンズ空間予想を強い意味で解決することできるのではないかと考えている。これは次の課題である。 また一般のデーン手術に関してもフレアホモロジーの枠組みでとらえられる部分を探したいと考えている。
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Research Products
(5 results)