2010 Fiscal Year Annual Research Report
離散群の様々な擬等長不変量と群の表示との関係の解明
Project/Area Number |
09J01484
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森島 北斗 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有限生成群 / 擬等長 / Coarse Geometry / 森田同値 / cyclic cohomology / 従順群 |
Research Abstract |
ロー代数というC*環の、ある稠密な環(Coarse群環)について考察を行った。Coarse群環の森田同値で不変な量は有限生成群の擬等長不変量になる。Coarse群環はほとんど群の擬等長の情報を失っておらず、広いクラスの群についてその森田同値類は完全不変量であることが期待される。よって、Coarse群環の環論的性質を具体的に調べるという方針で研究を進めた。まずは、Coarse群環の可逆元と冪等元についての研究を行ったが、アーベル群のそれですら、複雑で多くの情報を持っていて既存の環論、作用素環の知識ではすぐには理解できそうにないということが分かった。そこで方針を変えて、よく知られた森田同値不変量である、大域次元、Hochschild cohomology、Cyclic cohomologyなどについてCoarse群環の場合に考察した。大域次元については,群のコホモロジー次元によってそれを評価する公式を与えることができた。Hochschild cohomlogy、Cyclic cohomologyについては、もの自体は無限次元になってしまい、大域次元以上の情報はほとんど持っていないと考えられる。一方で、擬等長から定まる森田同値はかなり分かりやすく記述することができることがわかった。0次のCyclic cohomologyは従順群が持つ不変meanの存在と関係があり、この森田同値の具体的な記述から、従順群のクラスを拡張した擬等長不変な群のクラスが考えられる。よって、1次以上のCyclic cohomologyの元についても何か幾何学的意味があると予想され、漸近次元と関係するものが発見できるかもしれない。
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