2009 Fiscal Year Annual Research Report
一次元フォトニック結晶結合共振器導波路の基本特性解明と超小型光波回路設計への応用
Project/Area Number |
09J01489
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川口 雄揮 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 結合共振器型光導波路 / フォトニック結晶導波路 / 有限要素法 / スローライト / シリコン細線導波路 / 光集積回路 |
Research Abstract |
CROWと呼ばれる結合共振器型の光導波路は,共振器を多段に接続した光導波路であり,低群速度ならびにバンドの中心における零群速度分散が得られるという特徴から,超小型光波回路設計や非線形光学効果増強などへの応用が期待される.なかでも,一次元フォトニック結晶導波路中に周期的に欠陥部分を設けて共振構造とした一次元フォトニック結晶CROW(1-DPC-CROW)は,他の二次元や三次元のフォトニック結晶導波路に基づくCROWと比較して,構造が簡単であることから集積化に最も有利な構造であると考えられる.これまでに,1-DPC-CROWを光波回路へ応用することを目的として,その諸特性の検討を行ってきた.しかしながら,これまでは導波路の高さ方向へは一様な構造を仮定して,二次元構造に対する評価のみであった.実際に作製される光導波路の高さは有限であることから,その特性を詳細に評価するためには,こうした構造に対して三次元解析を行う必要がある. そこで本研究では,有限の高さを有する1-DPC-CROWに対して三次元有限要素法を用いてその特性評価を行った.その結果,1-DPC-CROWは導波路の高さ方向への漏れ損失が非常に大きいこと,また,二次元解析との結果を比較すると動作波長が異なることを示した.こうした結果から,1-DPC-CROWの特性を正確に評価するためには三次元解析を行うことが必要不可欠であるということを明らかにした.さらに,漏れ損失を低減可能な構造についても提案を行い,その光波回路設計への応用可能性を示した.
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Research Products
(7 results)