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2009 Fiscal Year Annual Research Report

生成論の実践―三島由紀夫の草稿調査を中心に

Research Project

Project/Area Number 09J01514
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

田中 裕也  Doshisha University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords三島由紀夫 / 生成論 / 成立過程 / 文学理論 / 草稿研究
Research Abstract

今年度の研究実施状況を下記に、二点に分けて報告する。
1、今年度は三島由紀夫「親切な機械」(1949年)について生成過程を調査した。その調査内容を論文化し、現在「日本近代文学」に投稿中である。具体的な内容としては、これまでの年譜研究でも知られていなかった、昭和二十年代前半における三島の京都来訪時期について言及した。また「親切な機械」で三島の創作のきっかけになった資料を発見し、紹介した。さらにこれまで三島研究で知られていなかった、三島の和辻哲郎『ニイチェ研究』(1942年)受容について言及した。
2、今年度は「山中湖文学の森・三島由紀夫文学館」において草稿調査・研究を行った。主に三島由紀夫『仮面の告白』(1949年)に関連する、学習院初等科から高等科にかけての作文や小説を調査した。また「『青の時代』創作ノート」も併せて調査した。いずれも『決定版三島由紀夫全集』に収録されているが、三島の手による見せ消ちやメモは省かれている。この調査の結果、三島は『仮面の告白』執筆にあたって、かつての作文や未発表作品を再構成し創作に用いていることが分かってきた。現在、『仮面の告白』論を構想しており、今後内容を深めていきたい。
ここまで生成論を実践し、三島の初期ニーチェ受容が和辻哲郎『ニイチェ研究』によるものであったことを明らかにしてきた。今後もひきつづき生成論の探求をおこなっていくとともに、三島文学とニーチェ哲学との関わりを論じていきたい。

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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