2009 Fiscal Year Annual Research Report
造形活動にたずさわる人びと―ナイジェリア、「ヨルバ」の聖地イレ・イフェの現在から
Project/Area Number |
09J01523
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
緒方 しらべ The Graduate University for Advanced Studies, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アフリカンアート / 現代ナイジェリア / 人類学における芸術 |
Research Abstract |
平成21年度は、その約半年間をナイジェリアで過ごし、フィールドワークに従事した。調査地イレ・イフェでは、アーティストやアート機関、そしてアートの享受者たちを中心とする造形活動にたずさわる人びとへのインタビューと参与観察をおこなった。57人のアーティストとの出会いは、彼らの活動にかかわるさまざまな人びととの出会いにもつながり、彼らのネットワークをたどっていった結果、次第イレ・イフェの造形活動の諸相が明らかになってきた。また、イレ・イフェの造形活動を明らかにするために欠かせない、イレ・イフェ社会についても調査をおこなった。とくに、イレ・イフェの伝統首長制度と伝統宗教の調査については、文献には記述されていない現代の情報を得ることができた。さらに、1人のアーティストに密着した参与観察をおこない、彼のライフヒストリーの収集に成功すると同時に、他数名のアーティストたちのライフストーリーも収集することができた。 また、ナイジェリア国内他地域では、イレ・イフェでの調査をもとに、造形活動にたずさわる人びとと議論を重ねることができた(アマド・ベロー大学美術学部、ナイジェリア大学美術学部、国立美術館など)。こうした議論は、イレ・イフェの造形活動の諸相を明らかにするために重要であったと同時に、研究の社会還元・調査対象との協働という目的において不可欠であった。さらに、東部エヌグではパン・アフリカン芸術家教会の研究大会において、本研究の成果を一部発表し、多くのアーティストたちからフィードバックを得ることができた。 日本国内で過ごした約半年間は、フィールドワークで得たデータの整理と分析に従事した。そこで得た考察をもとに、博士論文の構想をつかみ、来年度行う短期補足調査の内容も具体化した。これについては、総合研究大学院大学のゼミでおこなった帰国報告においても、建設的なフィードバックを得ることができた。
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Research Products
(1 results)