2010 Fiscal Year Annual Research Report
光合成反応中心における非対称な電子移動の発生機構の解明
Project/Area Number |
09J01578
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅井 智広 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光合成反応中心 / 緑色硫黄細菌 / ヘテロダイマー / Hisタグ / Strepタグ / 結晶化 |
Research Abstract |
本研究課題は、緑色硫黄細菌Chlorobaculum tepidumのホモダイマー型光合成反応中心(RC)を任意の部位特異的変異で人工的にヘテロダイマー化し、RCにおける非対称な電子移動反応の原理の解明を目的としている。 前年までの研究から、「RCコアタンパク質遺伝子の偽二倍体化」によって人工ヘテロダイマー型RCを実際に創出できることがわかった。本年度は、人工ヘテロダイマー型RCの特異的な精製方法の確立を目指し、C.tepidumが元からもつpscA遺伝子をN末端にStrepタグをもつpscA遺伝子と組換えた変異株を作製した。偽二倍体化で新たに導入するpscA遺伝子にはHisタグが付加されているので、この変異株を偽二倍体化用のホストとして利用すれば、Hisタグ/Strepタグのタンデムアフィニティクロマトグラフィによって人工ヘテロダイマー型RCの特異的な精製が可能になると期待される。現在、その最適な精製条件を検討中である。また、PSIとのホモロジーモデルにより電子移動への影響が予想された24のアミノ酸残基のうち、19残基について部位特異的変異を導入したpscA遺伝子発現用DNAコンストラクトの作製を完了した。現在、pscA偽二倍体化変異株を単離中である。 これらと並行して、Hisタグによって高純度のC.tepidum RCを大量に調製可能になったことを利用し、英国グラスゴー大学との共同研究でHisタグ付きRCの結晶化条件のスクリーニングを開始した。C.tepidum RCのX線構造解析を目指し、結晶化ロボットを利用した網羅的な条件探索を進めている。
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Research Products
(4 results)