2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しいナノスケール電子科学の創出と次世代デバイスの設計指針の獲得
Project/Area Number |
09J01612
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 幸宏 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トンネル現象 / 時間発展 / オーミック接触 |
Research Abstract |
本研究はナノスケールの電子に関する新たな概念を創出し、次世代デバイスの開発に世界的な方向付けを行うことを目指している。そのため、21年度は次のような研究を行った。 (1)時間依存シュレディンガー方程式による時間発展解析法の習得 ナノドット系への電子注入現象を理解するためには、波動関数の経時変化を詳細に追うことが重要である。このため、時間依存シュレディンガー方程式を数値的に解くことによる電子波動関数の時間発展解析手法の習熟に努めた。本目標の達成のため東北大学の村口正和博士との打ち合わせの機会を持ち、得られた結果についての議論を行った。 (2)ナノスケールオーミック接触の設計指針の獲得 将来導入が検討されている金属ソース/ドレインなどの技術の達成のためには、界面状態の制御が非常に重要である。このような観点から、ナノスケールのオーミック接触の設計指針獲得に向けた研究に着手した。オーミック接触とは、接触抵抗がバルクの抵抗と比較して無視できるほど小さい金属-半導体接触である。本研究では、第一に従来知られていたオーミック接触のモデルの検討を行った。結果、これまでのモデルは界面物理学の知見(フェルミレベルピニング現象)と大きく矛盾していることが分かり、これを指摘した。また、この問題を克服することを目指して、新たな金属-半導体界面のモデルを提案し、電流-電圧特性を計算することでモデルの妥当性を検討した。計算の結果、従来のモデルを用いることなく、提案したモデルでオーミック接触の特性が得られることが分かった。 (3)上記の研究によって得られた結果を、14^<th> International Conference on Modulated Semiconductor Structures(MSS-14)、物理学会、応用物理学会で発表し、研究計画遂行のための情報収集を行った。
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Research Products
(8 results)