2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいナノスケール電子科学の創出と次世代デバイスの設計指針の獲得
Project/Area Number |
09J01612
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 幸宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノスケールコンタクト / オーミックコンタクト / 界面物理 |
Research Abstract |
本研究はナノスケールの電子に関する新たな概念を創出し、次世代デバイスの開発に世界的な方向付けを行うことを目指している。そのため、平成22年度は次のような研究を行った。 1.ナノスケールオーミックコンタクト作成のためのモデル提案 ナノスケールのオーミックコンタクトの作成指針の獲得を目指して、従来のモデルの検討および新モデルの提案・検討を行った。ナノスケールの環境ではドーピングによる不純物濃度のばらつきが大きくなると考えられるため、ドーピングによる作成は難しいと考えられる。また、フェルミレベルピニング現象が起こるため、ショットキー障壁高さの制御が容易ではない。この問題を克服するため、ショットキー障壁のエネルギー領域に多数の離散準位が存在し、これらの準位との共鳴トンネルによって電子が伝導するとするモデルを提案した。理論計算によって、提案したモデルにおいてオーミックな特性を持つ電流-電圧特性が得られることを示した。オーミックな特性を得るためには離散準位の分布が非常に重要であることが分かった。このような結果から、本モデルがナノスケールオーミックコンタクト作成のための有力なモデルであることを提案した。 2.曲率を持った界面での仕事関数の形状依存性 近年デバイスの微細化には物理的な限界が見え始めており、シリコンナノワイヤを用いた構造のトランジスタは、電流のON/OFF比の高さなどから次世代のトランジスタの有力な候補として期待されている。この際、ナノワイヤチャネルが曲率を持った界面を生むことが考えられる。しかし、このような曲率を持った界面を制御する方法に関する研究は非常に少ない。このため、曲率を持った界面での仕事関数に注目し、その形状依存性を計算によって導出することを目的として、密度汎関数理諭に基づいた計算コードの作成を行った。
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