2009 Fiscal Year Annual Research Report
MM-1と分子シャペロン系がポリグルタミン凝集に与える影響
Project/Area Number |
09J01616
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田代 絵梨佳 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | prefoldin / Huntington's disease / Aggregation / MM-1 / chaperone |
Research Abstract |
MM-1は当研究室で発見されたがん抑制遺伝子である。核ではc-Mycと結合し、細胞のがん化を抑制する一方、細胞質ではprefoldinという分子の一部としても機能している。prefoldinはシャペロニンを補助する分子で、リボソームで作られた新生ポリペプチト鎖をつかむことで、勝手な折れたたみ構造をとるのを一時的に抑制する。これがTric/CCTへ運ばれ、タンパク質は正しい構造に折れたたみ構造を得る。MM-1結合タンパク質探索の結果、結合タンパク質の候補としてHsp70,Hsc70が見つかった。これらの事実からMM-1についてさらに詳しく研究するため、prefoldinについて研究する。ポリグルタミン病は神経細胞に異常に凝集しやすいタンパク質が蓄積し、細胞死がおこる神経変性疾患である。これは、原因遺伝子内のCAG反復配列が異常伸長することによって、凝集しやすいポリグルタミンが産生されるためにおこる。prefoldinがタンパク質をとらえる特徴から、ポリグルタミンが凝集する前にprefoldinが結合し、凝集を抑制できないかと考えた。今回の研究では、マウス神経芽細胞Neuro2AにおいてPrefoldinのsubunitをノックダウンしポリグルタミン凝集の量が変化するか観察したところ、顕微鏡観察下のポリグルタミン凝集率・Filter-trap assayにおけるSDS不溶性ポリグルタミン凝集が有為に増加することがわかった。また、細胞死assayによってPrefoldinノックダウン細胞ではポリグルタミンによる細胞毒性が上昇することも示唆された。これらの結果から、Prefoldinは細胞内でポリグルタミンの凝集を阻止し細胞毒性を抑制していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)