2011 Fiscal Year Annual Research Report
直接給電法による完全埋込型FESシステムに関する研究
Project/Area Number |
09J01644
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 東北大学, 大学院・医工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非接触エネルギー伝送 / 負荷電圧安定化 / 機能的電気刺激 / インプラント刺激装置 / 直接給電法 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までに実現してきた直接給電法FESの要素技術を統合し,システム全体の機能を得ることができるハードウェアを実現することを目標とした.その上で,特に解決しなければいけない課題は,インプラント素子の受電系に関する設計であった.前年度までに実現したインプラント回路の要素技術を統合し,そのインピーダンスを測定したところ平均で約2.4kΩであったが,瞬時値としては約800Ωから約4.8kΩと大きな変動があることが確認された。ここで,体内回路はディジタル回路で多く構成されており,電圧変動が生じると回路の誤作動,シャットダウンなど不安定な動作をする可能性がある.しかしながらシンプルな非接触エネルギー伝送系は負荷に対して受電電圧が変動することから,この回路を安定的に動作させることが難しかった.そこでこれを解決するために,新たな共振系を設計法とともに提案した.これにより,負荷変動に対しする電圧変動が安定し,回路負荷に足して40%程度であった負荷電圧変動値は7%程度まで低減することができた.これにより,負荷変動によらず安定的に駆動できる受電系の設計に成功した.また,全要素を統合し,システム全体で駆動させることに成功した.これにより各要素技術の妥当性と実用性を総合的に判断することができた.また,要素技術が多い本研究では各要素の検討に偏り全体像のイメージがつきにくいところがあったが,本研究員の成果により一つのたたき台としての実機が実現された.これにより,本研究の成果は今後の研究推進に大きな影響を与えている.以上より,直接給電法によるFESシステムの今後の進展に大きく寄与する成果と言える.
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Research Products
(5 results)