2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J01659
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 健 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | HIV / TRIM5α / 蛍光抗体免疫染色法 / Vpr / リアルタイムイメージング |
Research Abstract |
HIVと宿主との関わりを時空間的に解析する為に、まずHIVウイルス粒子を蛍光タンパク質でラベルした。ラベルにはHIVのアクセサリータンパク質であるVprタンパク質のアミノ末端側に緑色蛍光タンパク質であるGFPを融合させたものを使用した。また、ウイルス粒子が細胞内に侵入した事を確認する手段として、ウイルス粒子の脂質2重膜を赤色蛍光タンパク質mCherryでラベルした。ラベルはmCherryのアミノ宋端にSRCタンパク質の膜移行シグナル(S15)を付ける事により行った。細胞外のウイルス粒子は脂質2重膜で被われているため、赤と緑でラベルされているが、宿主細胞に侵入後は赤色のシグナルが消え、緑色のシグナルだけが観察されるようになる。この方法により細胞内侵入後のウイルス粒子の検出に成功した。 旧世界ザルの抗HIV因子であるTRIM5αはウイルス粒子のキャプシドタンパク質を認識し分解すると考えられている。そこで、細胞侵入後のウイルス粒子のキャプシドタンパク質を蛍光抗体免疫染色法で検出した。センダイウイルスベクターによってTRIM5αを強発現させた細胞ではキャプシドの染色がウイルス粒子を示すと考えられるドット状の染色ではなく、細胞一面にみられた。この状態ではウイルス粒子とTRIM5αとの作用関係はわからなかった。細胞一面に見られた原因としてセンダイウイルスから発現されるNAタンパク質が細胞表面のシアル酸を切断する事でウイルス粒子の侵入が促進されているためだと考えられる結果を得た。現在、レトロウイルスベクターによる発現系の構築を試みている。
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Research Products
(4 results)