2009 Fiscal Year Annual Research Report
AGE(終末糖化産物)受容体阻害剤の探索及び相互作用解析
Project/Area Number |
09J01666
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 秀作 Osaka University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RAGE / AGE / HMGB1 / X線結晶構造解析 / NMR / ELISA / Biacore |
Research Abstract |
我々は終末糖化産物(AGE)受容体をターゲットとした創薬研究を構造生物学的な手法を用い進めてしる。この受容体(RAGE)とそのリガンドであるAGE、または今年度作成に着手し、単離することに成功したS100B・HMGB1を用いて以下の実験を行った。 (1)AGE・S100Bを固定化したELISAを用い、RAGEとの阻害活性を持つ低分子化合物を化学合成することで、強い活性を持つ化合物を見出した。また、Biacoreを用い、RAGEを固定化・化合物をアナライトとすることでRAGE-化合物間の解離を測定した。(2)RAGEリコンビナントタンパク質vcRAGEを作成し、結晶化に成功した。問題点として結晶の質・量の確保がまだ成されていないが、得られた化合物をソーキングすることにより、複合体結晶構造解析を考えている。(3)NMRを使用し、RAGEラベルタンパクを用いて低分子リガンドとのタイトレーション実験から複合体構造解析を行っている。X線・NMR双方から得られる知見を用いることにより、バーチャルスクリーニングの効率が向上すると考えている。(4)これまでAGEとRAGEとの結合様式を解明するために実験を行ってきたが、AGEはその形成段階から多くの異なった構造をもつ分子の総称として認識されており、構造解析実験において扱いが難しかった。そこでRAGEリガンドとしてHMGB1に注目し、RAGEとの解離をBiacoreにて算出した。また、ELISA・Biacoreを用いた変異導入実験から、結合サイトの予測を行った。今後、X線構造解析・NMRを用いた複合体構造解析を目標に実験を行う予定である。この情報が得られることにより、これまで明らかにされていなかったRAGE-リガンド結合部位の詳細が明らかになり、より簡便な低分子リガンド探索に繋がると考えている。
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Research Products
(1 results)