2010 Fiscal Year Annual Research Report
AGE(終末糖化産物)受容体阻害剤の探索及び相互作用解析
Project/Area Number |
09J01666
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 秀作 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RAGE / AGE / HMGB1 / X線結晶構造解析 / NMR / ELISA / Biacore |
Research Abstract |
我々は終末糖化産物(AGE)受容体をターゲットとした研究を構造生物学的な手法を用い進めている。この受容体(RAGE)とそのリガンドで、大腸菌によって発現させ、精製、単離することに成功したS100B・HMGB1を用いて以下の実験を行った。 1)RAGEリガンドとしてHMGB1に注目し、RAGEとの解離をBiacoreにて算出した。その結果、解離定数がnMorderとなり、とても強い結合であることがわかった。また、RAGEは3つのドメイン構造を持つが、そのドメインごとに分けたRAGEリコンビナントタンパク質を用いたBiacore実験から、RAGEのHMGB1結合ドメインがN末端側の可変領域様ドメインであることを明らかにした。この結果は、RAGEのリガンド認識部位が可変領域様ドメインであることを示唆している。(AGEも同様の結果を示している)今後S100Bについても同様の実験を行いたいと考えている。 2)RAGEリコンビナントタンパク質vcRAGEを作成し、結晶化に成功した。また、結晶の質の向上に成功したことで、vcRAGEの結晶構造の解析に成功した。位相決定には分子置換法を用い、現在構造精密化中である。これまでに得られた化合物をソーキングすることにより、複合体結晶構造解析を考えている。 3)現在、X線構造解析・NMRを用いたタンパク質リガンドとRAGEとの複合体構造解析を行っている。この情報が得られることにより、これまで明らかにされていなかったRAGE-リガンド結合部位の詳細が明らかになり、より合理的な低分子リガンド探索に繋がると考えている。
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Research Products
(2 results)