2009 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性KチャネルKCNXが有する細胞接着性の研究
Project/Area Number |
09J01668
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野間 健太郎 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カリウムチャネル / 糖鎖修飾 |
Research Abstract |
これまでの研究では、Kv12.2の三箇所の糖鎖修飾の内、少なくとも一箇所が細胞表面への輸送に必須であることを明らかにしていた。そこで、今年度は糖鎖修飾がKv12.2のチャネル機能に与える影響について検討した。方法として、Kv12.2を発現させたCHO細胞を、生きた状態で糖鎖切断酵素(PNGaseF)処理し、その前後での様々なチャネル特性の相違を調べた。その結果、糖鎖を切断することによって、Kv12.2の電位依存的な活性化の指標となる活性化カーブが脱分極側に30mV程度シフトすることが明らかになった。この変化は、非常に大きいものであり、糖鎖がない状態では、チャネルが開きにくくなることを意味している。しかしながら、このように糖鎖を持たないチャネルは、本来機能を発揮する場である細胞表面には輸送されないことが分かっているので、生体内では利用されていないと考えられた。この問題について調べるために、マウスの臓器から調整した粗膜画分の試料について、糖鎖切断処理後に免疫フロットを行った。その結果、生体内のKv12.2タンパク質は脳、特に大脳と嗅球に特異的に発現しており、そのほとんどが糖鎖修飾されていることが明らかになった。以上のことから、糖鎖修飾は、Kv12.2の適切な細胞表面への輸送と、適切な電位依存的な活性化の両方に重要な役割を果たし、生体内では糖鎖修飾されたKv12.2だけが利用されている可能性が高いことが明らかになった。以上の成果を、論文にまとめ、The Journal of Biological Chemistry誌に投稿、受理された。
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Research Products
(2 results)